2024年02月16日
貴志川線にも70パス導入? 和歌山市新年度予算
和歌山市は2月14日、2024年度一般会計予算の概要を発表しました。
こちらの報道資料に概要が掲載されています。
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/056/194/20240215-1.pdf
この12ページ(PDFでは13ページ)に「和歌山電鐵貴志川線70おでかけ回数券の導入」という項目があります。
「70歳以上の高齢者に利用区間に関係なく利用できる10枚綴りの回数券を1,000円で販売」とあり、現在和歌山市内の路線バスが1回100円で乗車できる「70パス」同等の機能を貴志川線にも付与させることで、乗車人員の増加を図る見通しであることがうかがえます。
また、40ページ(PDFでは41ページ)に「地域公共交通網の維持・充実」という項目があります。
●バス路線維持への支援(拡充)20,135千円
事業者の経営努力だけでは維持することが困難となった路線である坂田線へのこれまでの支援に加え、令和6年9月末廃止予定の3路線(六十谷線、鳴神線、雑賀崎循環線)に対しても新たに支援を行うことで路線を維持し、住民や観光客等の移動手段を確保
●地域バスへの支援(拡充)26,627千円
バス路線が廃止となった地域などにおいて、鉄道や路線バスと地域とをつなぐ地域バス(紀三井寺団地線、有功線、木本・西脇線)の運行を支援し、持続可能な公共交通ネットワークの形成を図る
●今後の和歌山電鐵貴志川線維持に向けた対策の検討(新規)3,099千円
令和8年度から令和17年度までの10年間で行うべき利用促進や利便性の向上対策などを検討するとともに、安全輸送を確保するために必要な費用の検証など、安定的かつ継続的に運営できるための調査を実施
和歌山バスは雑賀崎循環線、鳴神線、六十谷線を2024年9月末で廃止する意向を発表していますが、今回の予算では、労災病院方面を結ぶ坂田線を加えた4路線に市として補助金を投入する計画のようです。一方で今回のバス路線の廃止について和歌山バスは不採算であることに加え、いわゆる2024年問題による乗務員不足も理由に挙げていることから、和歌山市の補助金が廃止の延期等につながるのか予断を許さない状況といえるでしょう。
なお、説明図を見る限り、鳴神線はほぼ全線ですが、雑賀崎・六十谷の各線は市の支援部分は末端区間に限られています。運輸局への雑賀崎・六十谷の各線の廃止届け出はもともと全線を対象としたものではなかったためとみられます(例えば六十谷駅付近以西、和歌山工業高校付近は存続の前提の線が引かれています)。逆に、坂田線についてはなぜか北島・梶取付近に市の支援を表す線が入っており、これは単なる誤りなのかどうなのか、若干気にはなります。。。
また、貴志川線の存続方策の検討については和歌山県も新年度予算に計上しています。
2006年度から2015年度まで第1次の存続スキームで、そして2016年度から2025年度まで第2次のスキームで存続となっている貴志川線ですが、第3次の存続スキームを検討する時期に入ってきています。現在も交通担当部局と和歌山電鐵の間で断続的に協議が進められていますが、予算をつけて本格的な調査を行う段階に来たと判断できるでしょう。
和歌山電鐵としては、和歌山駅のバリアフリー化も行いたい意向ですが、和歌山駅舎がJR西日本の所有となっていることからどのような形で実現させるのかも注目したいところです。
こちらの報道資料に概要が掲載されています。
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/056/194/20240215-1.pdf
この12ページ(PDFでは13ページ)に「和歌山電鐵貴志川線70おでかけ回数券の導入」という項目があります。
「70歳以上の高齢者に利用区間に関係なく利用できる10枚綴りの回数券を1,000円で販売」とあり、現在和歌山市内の路線バスが1回100円で乗車できる「70パス」同等の機能を貴志川線にも付与させることで、乗車人員の増加を図る見通しであることがうかがえます。
また、40ページ(PDFでは41ページ)に「地域公共交通網の維持・充実」という項目があります。
●バス路線維持への支援(拡充)20,135千円
事業者の経営努力だけでは維持することが困難となった路線である坂田線へのこれまでの支援に加え、令和6年9月末廃止予定の3路線(六十谷線、鳴神線、雑賀崎循環線)に対しても新たに支援を行うことで路線を維持し、住民や観光客等の移動手段を確保
●地域バスへの支援(拡充)26,627千円
バス路線が廃止となった地域などにおいて、鉄道や路線バスと地域とをつなぐ地域バス(紀三井寺団地線、有功線、木本・西脇線)の運行を支援し、持続可能な公共交通ネットワークの形成を図る
●今後の和歌山電鐵貴志川線維持に向けた対策の検討(新規)3,099千円
令和8年度から令和17年度までの10年間で行うべき利用促進や利便性の向上対策などを検討するとともに、安全輸送を確保するために必要な費用の検証など、安定的かつ継続的に運営できるための調査を実施
和歌山バスは雑賀崎循環線、鳴神線、六十谷線を2024年9月末で廃止する意向を発表していますが、今回の予算では、労災病院方面を結ぶ坂田線を加えた4路線に市として補助金を投入する計画のようです。一方で今回のバス路線の廃止について和歌山バスは不採算であることに加え、いわゆる2024年問題による乗務員不足も理由に挙げていることから、和歌山市の補助金が廃止の延期等につながるのか予断を許さない状況といえるでしょう。
なお、説明図を見る限り、鳴神線はほぼ全線ですが、雑賀崎・六十谷の各線は市の支援部分は末端区間に限られています。運輸局への雑賀崎・六十谷の各線の廃止届け出はもともと全線を対象としたものではなかったためとみられます(例えば六十谷駅付近以西、和歌山工業高校付近は存続の前提の線が引かれています)。逆に、坂田線についてはなぜか北島・梶取付近に市の支援を表す線が入っており、これは単なる誤りなのかどうなのか、若干気にはなります。。。
また、貴志川線の存続方策の検討については和歌山県も新年度予算に計上しています。
2006年度から2015年度まで第1次の存続スキームで、そして2016年度から2025年度まで第2次のスキームで存続となっている貴志川線ですが、第3次の存続スキームを検討する時期に入ってきています。現在も交通担当部局と和歌山電鐵の間で断続的に協議が進められていますが、予算をつけて本格的な調査を行う段階に来たと判断できるでしょう。
和歌山電鐵としては、和歌山駅のバリアフリー化も行いたい意向ですが、和歌山駅舎がJR西日本の所有となっていることからどのような形で実現させるのかも注目したいところです。
Posted by わかやま小町 at 23:57│Comments(0)
│和歌山交通ニュース
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