2017年10月04日

和歌山県、路線バス事業者のICカードシステム導入支援へ

10月3日、和歌山県の仁坂知事は定例記者会見で来年度の和歌山県新政策について発表しました。
このなかには、今年度から向こう10年間の和歌山県の再上位計画にあたる「長期総合計画」実現のための施策が目立っていますが、その長期総合計画にも挙げられていた、県内路線バス事業者に対するICカードシステム導入支援が盛り込まれることが明らかになりました。

平成30年度新政策と予算編成の方針(わかやま県政ニュース)
http://wave.pref.wakayama.lg.jp/news/kensei/shiryo.php?sid=26008

PDFファイルの5ページと9ページに「鉄道やバスのスムーズな乗降・乗り換えを実現し、利便性を向上させるため、 路線バス事業者の交通系ICカードの導入等を支援」とあります。ICシステムを導入するには初期コストで億単位の費用が掛かるといわれています。この費用を支援することで、県内路線バス事業者のIC対応を進めたい意向とみられます。

ただし、これまでも本ブログで触れていますが、和歌山バスクラスの事業者で、IC対応の初期費用は3億円程度、ランニングコストは少なくとも年間2000万円以上はかかるといわれています。これはバスの新車が購入できる費用に相当します。新車購入がままならない県内路線バス事業者にICカードの運用ができるかどうか、と言われると・・・ですよね。

事業者独自のICカードならまだしも、いわゆる「10カード」といわれる主要10ブランドのICカード(Suica、ICOCA、PiTaPaなど)を含めた全国相互利用のシステムに参入すると、システム利用料や手数料などの負担がランニングコストに上乗せされます。このことから全国相互利用のプラットホームに乗れない事業者も地方を中心に存在することから、国土交通省ではこれまでより安価に全国のICカードを相互利用できるシステム作りも進めていることから、今後はランニングコストの低減も見込めそうです。
しかしながら、ICカード利用による事業者の「うまみ」が少ないこともあり、ICカード導入への壁はまだまだ高いのが実情です。

実際、親会社の岡山電気軌道が「Hareca」カードを導入している和歌山電鉄も相応のメリットが見込めないとして貴志川線でのICカード利用は現在のところ見送っていますし(貴志川線の場合はJR和歌山駅に連絡していて必然的にICOCAとの連携が必要になります。となると「10カード連携」が求められ、ランニングコストが跳ね上がるという事情があるようです)、そもそも外国人観光客はデポジットを必要とするICカードをわざわざ購入して旅行する割合は意外に低い、という指摘も存在しています。

和歌山県の動きは歓迎すべきことですが、導入後を見据えた施策になるかどうか、そして各社とも経営が厳しいなか、導入を決断する事業者が登場するか、今後の動きを見守りたいところです。

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この記事へのコメント
磁気バスカードは和歌山らしさではあるかな…と思います。
全国的にも早い段階で磁気カードは導入されましたし。
IC化で黒字になり路線が維持できるのか、赤字になり路線削減と車両更新ができなくなるか…

IC化のメリットは確かにありますが、一日乗車券などの特殊な磁気カードも残るのでしょうか…そこを少し懸念しています
Posted by Anonymous at 2017年10月05日 21:48
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