2015年11月17日

わか電、向こう10年の支援策固まる

 和歌山県は今日、貴志川線の来年4月以降の支援スキームを知事記者会見で発表しました。

http://www.wakayamashimpo.co.jp/2015/11/20151117_55736.html
http://www.nhk.or.jp/wakayama/lnews/2043109111.html?t=1447757335732

 2006年4月から2016年3月までの10年間は、線路を自治体の所有として固定資産税の事実上の減免措置を取る一方、和歌山県が2.4億円を負担して変電設備の更新を、和歌山市と紀の川市が65:35の割合で年間8200万円を上限に欠損補助する形をとってきました。
 2016年4月から2025年3月までの支援枠組みでは、和歌山県・和歌山市・紀の川市が協調し上限約12.5億円を設備の整備費用として拠出することを柱としています。注目すべきは「欠損補助」ではなく「設備整備費用」としていること。国が鉄道への補助制度として有しているレールや枕木、保安制度の維持管理の支援制度を活用することにしており、約6.2億円は国の補助となり、総額は18.7億円となります。

 これまでの欠損補助は赤字分を補填するもので、これからの整備費用は赤字補填には充当できません。したがって、貴志川線が赤字を出した場合は、自社で対応することが求められることから、わか電にとってはこれまでよりも厳しい内容となっています。これは小嶋社長のコメントでも明らかです。
 しかし、老朽化している設備の更新費用の軽減が図られることで、一定の支出の削減効果も期待できることから、とりあえずこの枠組が固まったことは地元としては歓迎基調のようです。

 なお、仁坂知事は、わか電への一層の自助努力だけではなく、住民への理解も求めていることから、一層の乗車促進と抜本的な収支見直しも求められそうです。

 上記は和歌山県・和歌山市・紀の川市が12月議会で「債務負担行為」の承認をとって初めて正式な話になりますので、まずは議会の動向を見守ることにしましょうか。

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Posted by わかやま小町 at 20:04│Comments(0)和歌山交通ニュース
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