2020年07月03日

わか電、19年度は200万人割り込み/空港バス7月15日再開、トレイナートは中止

わかやま電鉄はこのほど、2019年度の利用状況を「貴志川線の未来をつくる会」の会報を通じて発表しました。

2019年度は、2019年3月の和歌山南スマートインターチェンジと県道13号線バイパス(都市計画道路・南港山東線)の岡崎・吉礼工区の開通、少子化の進行・・・だけであればまだよかったのですが、2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校の休業、不要不急の外出自粛要請のほか、2月以降団体利用がほぼすべてキャンセルになるなどしたため、利用者数は2018年度比4.7%減の198.8万人と、2006年のわかやま電鉄開業後はじめて200万人を割り込む事態となりました。

年度が変わってからも学校の休業のほか、緊急事態宣言が全都道府県で発令されたことによる出控えもあり、一年で一番収益があがる大型連休期間中は前年度比9割以上もの減収になるなど、2020年度の見通しもとてつもなく厳しくなるのは確実な情勢です。

5月9日に減便改正をおこないましたが、本来であれば運行本数をもっと削減したいところかもしれません。しかし、それで3密を招いては元も子もありません。また鉄道事業は、設備の保守に一定のコストが掛かり続けるため、運行本数を削減することによる収支改善効果は限定的でもあります。

債務超過の状態ではあるものの、両備グループの内部支援で資金繰りには大きな問題はなさそうですが、コロナ禍が落ち着いたあとの見通しがたたないなか、開業以来最大の危機が訪れているといっても過言ではないでしょう。
本来であれば、2020年に入ってから枕木オーナー制度などの増収策のほか、ニタマ電車への改造に向けた本格的な作業が行われる予定でしたが、まったくの白紙の状態といいます。昨年8月に発表された「キシカイセイプロジェクト」自体がまったく遂行できない状態で、電鉄の方も非常に歯がゆい状況ではないかと思いますが、改めて沿線としてできることを見つけていきたいところです。


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伊太祈曽駅からレンタサイクルで15分のところにある「四季の郷公園」が「道の駅・四季の郷公園 FOOD HUNTER PARK」として7月18日にオープンすることが決定しました。実はこの運営にわかやま電鉄も少し関わっています。
道の駅ですので自動車利用が前提とはなっていますが、7月18日のオープン時は、伊太祈曽駅から無料のシャトルバスが運行されることが決まっています。

実は管理人、運営側の方にお話をうかがう機会がありました。和歌山市の食にこだわった取り組み・仕掛けをどんどんしていきたい、とおっしゃっておられました。なかなか期待大ですぞよ。

ウェブサイトはこちら https://fh-park.jp/

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さて、6月から全便運休が続いていた、和歌山と関西空港を結ぶ関西空港リムジンバスは7月15日から減便ダイヤながら運行を再開させることが発表されました。国内の航空便は少しずつ便数が増えてきていますので、これから少しずつ取り戻す段階になりそうです。
http://www.wakayamabus.co.jp/news/airport20200715/


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ひとつ残念なお知らせが紀伊民報で報じられています。
毎年秋のお楽しみだった、JRきのくに線沿線で繰り広げられるアートイベント「紀の国トレイナート」は今年度は中止が発表されました。次の機会に期待しましょう。  
Posted by わかやま小町 at 21:50Comments(1)和歌山交通ニュース