2018年06月30日

和歌山電鐵、昨年は赤字決算に

和歌山電鐵はこのほど、昨年度の決算を発表し、その概況が「貴志川線の未来を"つくる会"」会報を通じて公開されました。

昨年度の利用者数はのべ216.9万人と一昨年度と比較して1.4%の減少となりました。
特筆されるのは、生産年齢人口が減少傾向にもかかわらず、通勤定期利用者が前年度比2.2%増を達成していることです。
しかし、少子化にともなう通学定期が2.6%、定期外利用が3.3%、それぞれ減少したことが大きく響きました。

また台風21号等の大雨による運休を余儀なくされたほか、災害発生への対応費用が増加したことから費用負担が増大。年度決算としては1,500万円の赤字となりました。

なお、運輸収入は3.64億円(前年度比-400万円)、運輸外(グッズ等)収入を合わせると会社全体としては5.17億円の収入となっており、これはわか電経営移管後12年間のなかでは2016年度(5.25億円)、2015年度(5.23億円)に続いて3位の水準となっており、これは経営移管当初の実に1.5倍。一時は増加した沿線人口は、今後減少傾向が進むと考えられ、乗客維持と、運輸外収入増加が鍵になりそうです。

昨年8月から発売を開始した「つくる会」会員限定の増量回数券は継続販売が決定していますので、この際、「つくる会」会員にもなって、増量回数券でお得に貴志川線を利用しませんか。それが官民一体となった貴志川線の永続につながりますよー。
かくいう当ブログ管理人も増量回数券ユーザーです!  
Posted by わかやま小町 at 22:02Comments(0)和歌山交通ニュース

2018年06月29日

「オーシャンアロー」がピンチ?振り子電車のいま

先週、今週と、立て続けに天王寺駅で車両トラブルが発生し、大きな影響が出ました。
トラブルが発生したのはどちらも同じ283系車両「オーシャンアロー」で、さすがに現在車両工場に入って整備中、代わりの車両が運用についているそうです。

さてこの283系は、もともとの予定では今年春のダイヤ改正で、運用を白浜以北に限定させる方向で検討されていることが昨年の秋にわかり、地元自治体から猛反対にあったのはまだ記憶に新しいところです。
 参考:来春くろしお減便?283系も白浜以北に?(2017.10.17) http://komachi.ikora.tv/e1303417.html

283系は1994年の登場直後から新大阪・京都-新宮間を1日1往復半、毎日800~900km走行するという相当過酷な運用を強いられ続けました。これがたたったのか、近年故障が目立っているといわれています。先日は天王寺駅から阪和線に入る線路上で立ち往生したようですが、きのくに線内でも車輪の空転による運行トラブルが時たま発生していますし、制御付き振り子装置や空調装置も故障がちといわれています。

きのくに線高速化事業の花形として投入された283系ですが、6両編成が2本と3両編成が2本の合計18両しかなく、予備で使える車両も少ないという事情もあり、結果として少ない車両数が長距離運用に使われることで「酷使」の状況を生んだものとみられます。


283系は「制御型振り子」という装置で、カーブで車体を傾けて高速走行ができる機構を搭載しています。旧くろしおの381系が「自然振り子」でカーブで自然に車体を傾ける機構でしたが、この乗り心地に難があったことから、カーブに差し掛かる直前から徐々に車体を傾けることができる制御型振り子機構が開発され、現在すべてのJR旅客会社に制御型振り子電車が存在しています。
ただ制御型振り子車両の開発・製造に高額の費用がかかることもあり、最近の新型車両では新幹線N700A等にも搭載されている空気ばねを使った「車体傾斜装置」と高性能の台車を使うことで制御型振り子を代用しようという動きが広がってきています。

登場当時は在来線車両として最新鋭に近い機構を満載した283系オーシャンアローですが、長年の酷使だけではなく、技術革新の流れに乗れないまま、2020年台半ばには引退を迎えることになりそうです。  
Posted by わかやま小町 at 22:41Comments(0)和歌山交通ニュース

2018年06月14日

わか電✕動物愛護協会 ラッピング電車、6月18日から運行

6月1日にお伝えした、和歌山電鐵と動物愛護協会が連携したラッピング電車について、わか電さんからリリースをいただきましたので改めてご紹介します。

公益財団法人日本動物愛護協会は殺処分される動物を減らすことをPRするために、向こう3年間にわたって、和歌山電鐵貴志川線の2274編成(2274-2704)に車体ラッピング、中吊り広告、車内ドア横ポスター、パンフレットボックスの設置などを施し、広告電車として運行します。

6月18日月曜日の12:50から伊太祈曽駅ホームで日本動物愛護協会の杉山理事長、廣瀬事務局長、和歌山電鐵からは松原鉄道部長と、よんたま駅長が出席し、出発式をおこない、そのあと13:02伊太祈曽始発の和歌山行きから営業運転に入るとのことです。今回はわか電の小嶋社長は残念ながら欠席予定とのことです。


日本動物愛護協会によると、2016年度は全国で11.4万頭のイヌやネコが保護されていますが、残念ながら5.6万頭が殺処分されており、このうち8割以上がネコだとのことです。そこで、動物が置かれている状況を啓発するとともに、環境を改善するためのPRをおこなうこととなり、たま駅長のエピソードが有名な和歌山電鐵とタイアップした広報活動をおこなうことになったそうです。
ラッピングのイラストにはイラストレーターのボンボヤージュさんの柔らかいタッチのイヌやネコが描かれており、車体下半分は若草色に、上半分は色とりどりのハートマークが散りばめられています。

これで少しでも動物愛護の機運が高まればいいですね。

なお、現在のところ和歌山電鐵のダイヤ検索ではラッピング電車の運行ダイヤ検索はできませんが、国体PRのきいちゃん電車の運行ダイヤ検索にも対応したことがありますので、後日対応されるのではないかと思います。  
Posted by わかやま小町 at 22:27Comments(0)和歌山交通ニュース

2018年06月01日

和歌山市、デマンド型乗り合いタクシーの実験へ

6月の最初から大きな動きが明らかになりました。

和歌山市は、加太、湊、和佐、小倉の4地区でデマンド型乗り合いタクシーの実証実験をおこなう方針を示しました。このうち、加太、小倉・和佐はこれまでに実験を行ったことがある地域ですが、改めて地元と調整し、再実験となります。

加太地区は、スーパー松源西庄店を起点に、サニータウン方面・淡嶋神社方面・小島住吉方面の3系統となります。前回と異なるのは、起点がスーパー松源西庄店が起点になること、淡嶋神社方面行は、加太海水浴場ではなく住宅地の中を通り抜けるルートとなります。各系統1日4往復設定され、主に加太駅での南海加太線、坂田バス停での和歌山バス75系統(南海市駅-労災病院-坂田)との連絡が重視される設定となります(小島住吉での岬町コミバスとの乗り継ぎはやや不便になります)。

小倉と和佐地区は今回エリアを分割します。
小倉地区はJR和歌山線の紀伊小倉駅を起点に、小倉地区内の医院をめぐりながら、上三毛自治会館方面・勝宝台(しょうほうだい)方面・金谷(かなや)自治会館方面の3系統で各系統1日4往復の設定。紀伊小倉駅での和歌山線への連絡が重視されます。

和佐地区は前回の紀伊風土記の丘ではなく、JR和歌山線布施屋駅が起点になります。和歌山市河南サービスセンター・JAわかやま高積支店を経由し、下和佐自治会館方面、禰宜(ねぎ)自治会館方面の2系統で1日4往復を設定。布施屋駅での和歌山線への連絡が重視されます。

湊地区は、和歌山バスの旧80系統御膳松線の事実上の代替となり、ガーデンパーク和歌山と湊地区の人口密集地の中を進んでいく1系統で1日4往復を設定。土入橋での和歌山バス75系統(南海市駅-労災病院-坂田)、172・272系統(JR和歌山駅-和歌山大学-和歌山大学前駅)との連絡が重視されます。


加太地区は本格運行を前提とした運行、他の3地区は再チャレンジとなりますが、わたしのうかがっている範囲では和佐地区では連合自治会を中心に、交通不便地域対策に取り組みを進めてきたとのことで、今回の結果がどうなるか注目されます。

このあと、運行事業者の公募が行われたあと、8月ころに期間を区切って運行が行われ、その結果をもとに次のステップの検討がなされる見込みです。運行ダイヤなどの詳細は追って明らかになるものとみられます。


すでに地元自治会等と調整が進んでいる加太地区以外については、今日付けで実証運行事業に関するプロポーザル実施要項が発表されました。
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/jigyou/1009212/1020495.html  
Posted by わかやま小町 at 21:03Comments(0)和歌山交通ニュース

2018年06月01日

【特報】貴志川線に動物愛護PRラッピング電車登場!

公益財団法人日本動物愛護協会は、和歌山電鐵と連携し、動物愛護を呼びかけるラッピング電車を運行することを今日発表しました。

Facebookページでデザインが公開されています。
https://www.facebook.com/pg/JSPCA.nyanco/photos/?tab=album&album_id=1389102084567660

今回ラッピングされるのは、南海色で残る2編成のうちの1編成、2274F。2272Fにはヤマト運輸との貨客混載ステッカーが貼り付けられていることから、この編成が選ばれたものと見られます。なお2274Fは国体ラッピング電車等もまとったことはなく、開業12年目で初のラッピング電車となるはずです。

6月18日お昼にセレモニーがあり、13:02伊太祈曽始発の和歌山行きから向こう3年間、運行される予定です。  
Posted by わかやま小町 at 21:00Comments(0)