2017年10月31日

南海線、11月1日より単線で運転再開

南海電鉄は10月31日午前、台風21号による被害を受けて運休中の南海線樽井-尾崎間について11月1日より、被害を受けなかった上り線を使っての単線での運転再開を発表、続いて10月31日夕方に平日のダイヤを公表しました。
http://www.nankai.co.jp/traffic/info/transfer.html

特急サザンは運休
急行のうち、和歌山市・和歌山港-なんばを結ぶ便は羽倉崎-なんば間で運行
区間急行は早朝・夜間の一部を和歌山市発着とする以外は原則として羽倉崎以北の運転
・和歌山市-なんば間を通し運行するのは、普通車(朝夕の一部は区間急行)が概ね毎時2往復。普通車は泉佐野で空港急行(一部羽倉崎発着の急行)と接続

・引き続きJR阪和線・関西空港線での代替輸送を実施
・上記とは別に、朝時間帯に樽井駅前→泉佐野駅、箱作駅→泉佐野駅の直行バスを運行


なお、上り線の復旧には約1ヶ月かかる見通しとのことですが、短期間で単線運行にこぎつけた南海電鉄と関係者のみなさん、おつかれさまでした!  
Posted by わかやま小町 at 21:16Comments(0)和歌山交通ニュース

2017年10月28日

南海線はまず単線で運転再開へ

南海電鉄は今日、台風21号による大雨の影響で運休がつづいている樽井-尾崎間について、被害がなかった上り線を使って単線での運転再開に向けた作業を進めていることを正式に発表しました。
http://www.nankai.co.jp/var/rev0/0007/9392/saikaimikomi.pdf

樽井駅での難波方面への折り返し線を活用することで、新たに渡り線を設けることなく実現させる見通しで、保安設備の準備と当局の確認ののち、できるだけ早く運転を再開させる方針。概ね毎時2往復の普通車(朝夕には区間急行も)を運転できる見込み。これだけでも現行の代行バスよりも輸送力は向上しそうですね。
なお、今回被害を受けた下り線は1ヶ月程度で仮復旧の見通しとのことです。


一方、上古沢駅で路盤流出があった高野線ですが、最大80cmほどの高さの路盤が流出しており、復旧の目処は今のところ立っていないとのことです。  
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2017年10月24日

台風21号にともなう和歌山近郊の運転状況

台風21号にともない大雨に見舞われた近畿地方ですが、和歌山近郊の鉄道にも大きな影響が出ています。

●南海電鉄
 テレビでも多数報道されましたが、南海線で橋りょうの支柱が落ち込み、線路も沈み込んだため、樽井-尾崎間で運転見合わせとなっています。和歌山市-尾崎、樽井-なんばで折り返し運転をおこなっており、箱作-樽井間でバスによる代行輸送をおこなっていますが、特急サザンが全面運休になっていることなどもあり、今日は相当な混乱が見られたようです。

 今日、国交省の運輸安全委員会が大阪入りしているとの報道がありました。明日25日に事故現場を視察するとのこと。大きな事故が発生した場合は、この現場検証が終わらないと本格的な復旧には入れないほか、現場の状況から相当な時間がかかるとみられます。一部では「復旧は早くて年末では」という話も出ています。
 JR阪和線で振替輸送をおこなっていますが、しばらくの間は混乱が続くとみられます。なお、和歌山市駅-和歌山駅間の紀勢本線で夕方と夜間に3往復臨時増発が行われることになっています。運転見合わせの長期化が避けられないなか、当面の間、臨時運転は継続するものと思われます。

 また、高野線でも上古沢駅付近で被害が大きく、高野下-極楽橋間が運転見合わせ、橋本-高野山間で代行バスが運転されていますが、道路は遠回りとなるため相当な時間を要する模様です。


●JR西日本
 きのくに線が今日も串本-新宮間で不通となっていますが、先ほど17時に、明日の始発から運転再開がアナウンスされました。ただし、車両やりくりの都合からか、一部特急列車は運休になる予定とのことです。


 南海線については今度詳細な調査のあと、復旧見通しが示されるものと思われますが、当面は、阪和間の移動には時間に余裕を持った利用が望ましそうですね。  
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2017年10月17日

来春くろしお減便?283系も白浜以北に?

今日、和歌山県庁メールマガジンで、県庁総合交通政策課長名での発信があり、JR西日本より、
 ・2018年春ダイヤ改正で白浜-新宮間を運転する「くろしお」を現状の7往復から6往復に削減
 ・オーシャンアロー型の283系車両の老朽化に伴い、同系の運用を白浜以北に限定する
・・・という計画があるとの報告があったということです。

まず283系については、94年に登場して20年以上が経過し、振り子装置の不調など車両不具合が相次いでいるといわれています。もともと基本編成6両が2本、付属編成3両が2本、合計18両という少ない車両数による過酷な運用がたたったのではないかと思われます。特にカーブや勾配が多い区間での運用を減らすことで、車両にかかる負担を軽減させる意味合いがあるのではないかと推察されます。

また、白浜以南の「くろしお」については減便とスピードダウンが相次いでいますが、わたしも時おり利用しますが、確かに乗客は少なく、白浜を過ぎると6両では持て余し気味にみえます。

この計画に対して和歌山県は「特急くろしおは和歌山県の観光振興に欠かせないものであるとともに、 県民の皆さんの出張や旅行等にも大変重要な列車で、 県としては減便には強く反対」としており、「利用者が少ないからといって、 単に減便するという発想ではなく、 公共交通機関の維持確保を図るために、 もっとプロモーションをして利用促進に取り組むべきで、 県としても地元自治体とともにJR西日本に協力していきたい」としています。

そのうえで、「県としても、 和歌山県の観光振興、 地域振興のためJR西日本に働きかけてまいりますので、 県民の皆さん、 和歌山を訪れる皆さんにも、 是非移動手段として特急くろしお号を含む公共交通をご利用いただきたい」と結んでいます。


和歌山県としては観光立県を目指す上で鉄道は欠かせないというスタンスではありますし、和歌山県の最上位計画である長期総合計画においても交通機関の充実、ICカード利用を後押しするなど、交通機関への支援も謳っていますが、紀南に高速道路がどんどん延伸したり道路が整備されたりするたびに鉄道の利用者が減少し、特急の減便につながっているのが現実でもあります。和歌山県内のJR線は全線が赤字とみられ、民間企業であるJRとしても対策を取らざるをえないという事情もあるとみられます。

しかし、沿線自治体の財政的支援は、94年の高速化と、2000年代の車両へのトイレ設置などの際になされていますが、沿線自治体などで構成されている「紀勢本線活性化促進協議会」はウェブサイトすらない状態で、本気で利用促進のための支援がされているのか甚だ疑問です。
しかも紀南新聞の報道によれば白浜-串本間の2016年度の特急の1日平均利用客数は、紀伊半島大水害のために3ヶ月間もの長期運休を余儀なくされた2011年度よりも下回っているなど(http://www.kinan-newspaper.jp/?p=10416)、「激減」といった状況。JR西日本側の「悲鳴」を沿線自治体はどう受け止めていたのか疑いたくなります。

今回の県のリリースはJRの正式発表ではないことに注意はしなければなりませんが、事業者・自治体・沿線が一体となった利用促進を本気で考える時期にきているというのは間違いないでしょう。  
Posted by わかやま小町 at 20:36Comments(0)和歌山交通ニュース

2017年10月11日

JR和歌山線「きのかわサイクルトレイン」運行!

現在、和歌山県ではサイクリングロードの整備など、サイクリング客の誘致を進めており、先日もご紹介した那賀振興局管内では特に力を入れて取り組まれています。そこにJR西日本和歌山支社が連携し、11月の毎週土曜日に臨時電車「きのかわサイクルトレイン」が運転されることになりました。

和歌山駅9:23→橋本駅11:13、橋本駅14:00→和歌山駅15:20の1往復、117系4両編成が充当されます(千旦・紀伊小倉は通過)。
この列車の田井ノ瀬-紀伊山田駅間では、自転車をたたまずに載せることが可能です(通常は輪行袋に格納する必要があります)。

詳しくはこちらのプレスリリースと、和歌山線活性化協議会のウェブサイトをご覧ください。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11264.html (停車駅の階段の有無等が確認できます)
http://wakayamasen.com/ (サイクリングマップがダウンロードできます)  
Posted by わかやま小町 at 17:52Comments(0)和歌山交通ニュース

2017年10月10日

和歌山県庁、公共交通資料集最新版(2016年度)を公開

和歌山県庁は10月10日に、県内の公共交通機関資料集の2016年度版を公開しました。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020500/book.html

このなかに掲載されている、路線バスの乗車密度(1kmあたり乗車人員)のうち、和歌山市内に乗り入れている一般路線バスの乗車密度を抜き出しました。以下のURLに過去4年間の比較表を載せています。
http://ocean547.net/wap/pdf/20171010.pdf

統計上、路線バスの乗客数は下げ止まりの傾向が見られるようです。  
Posted by わかやま小町 at 22:25Comments(0)和歌山交通ニュース

2017年10月10日

10月29日は安全教室、11月5日は貴志川線祭り!

◆安全教室
 ここ最近、和歌山県立交通公園とのコラボが多い貴志川線ですが、10月29日(日)に交通安全教室&鉄道安全教室が開催されることになりました。
 同日は9:50からと12:50からの2回、約30分間交通安全教室が行われるほか、交通センター前駅10:36もしくは13:36発のうめ星電車に乗って伊太祈曽駅に移動し、車庫内での鉄道安全教室も行われます。
 参加費は無料ですが、鉄道安全教室参加の場合は交通センター前駅と伊太祈曽駅間の鉄道運賃が必要です。

 http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/2017/10/02/交通公園&和歌山電鐵-安全教室/

◆貴志川線祭り
 和歌山電鐵開業時から開催されている貴志川線祭りは今年で11回を数えます。11月5日(日)10:30~15:00、伊太祈曽駅構内と伊太祁曽神社で開催されます。
 おなじみの「たま駅長ふわふわ」「いちご電車ミニトレイン」、運転台・車掌体験などの子ども向けイベントはもちろん、今回は和歌山県警交通機動隊の白バイの展示もあるほか、ヤマト運輸の交通安全教室も開催されます。
 そして昨年大好評だった、登録有形文化財の車庫内で「オルケスタ・デ・タスケルオ」の演奏も楽しみですね。
 なお、伊太祈曽駅駐車場はごくわずかで定期利用車もあることから、お出かけは必ず貴志川線でお願いしますね。

 http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/2017/09/30/第11回-貴志川線祭り/  
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2017年10月06日

和歌山駅に「のりかえ改札機」/JR西初!「鉄道むすめ」

JR西日本は今日、和歌山線の五条-高田間で来春からICカードの利用が可能になることを発表しました。同時に、JR和歌山駅の7・8番ホームに「のりかえ改札機」を設けることを発表しています。
この「のりかえ改札機」は、関西ではJR神戸線の兵庫駅(JR神戸線-和田岬線)、加古川駅(JR神戸線-加古川線)、姫路駅(JR神戸線-播但線・姫新線)に設置されており、相互の路線を乗り換える際に乗車券もしくはICカードをこの「のりかえ改札機」に通して、仮に運賃の不足分がある際は精算することができるものです。
今回和歌山駅に設けされる「のりかえ改札機」は、JR阪和線・きのくに線と和歌山線・紀勢線和歌山市方面との相互乗り換えの際に利用されることになっています。朝ラッシュの和歌山駅到着時の混雑が少し気にはなりますが、特に無人駅が多い和歌山線沿線からの不正乗車の抑制が期待できそうです。

http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11258.html

それと、JR西日本では初の「鉄道むすめ」が登場します。白浜駅をイメージした「黒潮しらら」で、10月14日に白浜駅に登場。アロハシャツを着用し、パンダを背中に背負っています。わかやま電鉄の「神前みーこ」など、関西でも鉄道むすめシリーズは人気ですので、集客に一役買ってくれそうですね。

http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/10/page_11257.html  
Posted by わかやま小町 at 19:04Comments(0)和歌山交通ニュース

2017年10月04日

和歌山県、路線バス事業者のICカードシステム導入支援へ

10月3日、和歌山県の仁坂知事は定例記者会見で来年度の和歌山県新政策について発表しました。
このなかには、今年度から向こう10年間の和歌山県の再上位計画にあたる「長期総合計画」実現のための施策が目立っていますが、その長期総合計画にも挙げられていた、県内路線バス事業者に対するICカードシステム導入支援が盛り込まれることが明らかになりました。

平成30年度新政策と予算編成の方針(わかやま県政ニュース)
http://wave.pref.wakayama.lg.jp/news/kensei/shiryo.php?sid=26008

PDFファイルの5ページと9ページに「鉄道やバスのスムーズな乗降・乗り換えを実現し、利便性を向上させるため、 路線バス事業者の交通系ICカードの導入等を支援」とあります。ICシステムを導入するには初期コストで億単位の費用が掛かるといわれています。この費用を支援することで、県内路線バス事業者のIC対応を進めたい意向とみられます。

ただし、これまでも本ブログで触れていますが、和歌山バスクラスの事業者で、IC対応の初期費用は3億円程度、ランニングコストは少なくとも年間2000万円以上はかかるといわれています。これはバスの新車が購入できる費用に相当します。新車購入がままならない県内路線バス事業者にICカードの運用ができるかどうか、と言われると・・・ですよね。

事業者独自のICカードならまだしも、いわゆる「10カード」といわれる主要10ブランドのICカード(Suica、ICOCA、PiTaPaなど)を含めた全国相互利用のシステムに参入すると、システム利用料や手数料などの負担がランニングコストに上乗せされます。このことから全国相互利用のプラットホームに乗れない事業者も地方を中心に存在することから、国土交通省ではこれまでより安価に全国のICカードを相互利用できるシステム作りも進めていることから、今後はランニングコストの低減も見込めそうです。
しかしながら、ICカード利用による事業者の「うまみ」が少ないこともあり、ICカード導入への壁はまだまだ高いのが実情です。

実際、親会社の岡山電気軌道が「Hareca」カードを導入している和歌山電鉄も相応のメリットが見込めないとして貴志川線でのICカード利用は現在のところ見送っていますし(貴志川線の場合はJR和歌山駅に連絡していて必然的にICOCAとの連携が必要になります。となると「10カード連携」が求められ、ランニングコストが跳ね上がるという事情があるようです)、そもそも外国人観光客はデポジットを必要とするICカードをわざわざ購入して旅行する割合は意外に低い、という指摘も存在しています。

和歌山県の動きは歓迎すべきことですが、導入後を見据えた施策になるかどうか、そして各社とも経営が厳しいなか、導入を決断する事業者が登場するか、今後の動きを見守りたいところです。
  
Posted by わかやま小町 at 20:58Comments(1)和歌山交通ニュース