2017年07月01日

和歌山電鐵2016年度決算はギリギリ黒字達成+増量回数券登場!

和歌山電鐵の2016年度の利用状況と決算状況が公表されました。

●利用状況
 残念ながら経営移管後最多だった2015年度に比べて-5.1%の220.1万人に落ち込みました。経営移管後11年間のなかでは4番目の多さとなります。
 利用減少の要因としては2016年4月の運賃改定による前年度末の駆け込み需要の反動減、外国人旅行者の利用が落ち着いてきたこと、紀の国わかやま国体や高野山開創1200年など県をあげた大型イベントが終了したことによる減少などが挙げられています。

●収支実績
 2016年度から行政からの補助金は、赤字を埋める欠損補助から設備更新への補助に切り替わりましたので、赤字を出すことが許されない環境下での経営でしたが、運賃改定による運輸収入の増加、老朽設備の更新費用補助による修繕費用の減少、電力料の減少などが功を奏し、税引き後の収益は約30万円の黒字と、運営移管後初の黒字決算となりました。

●新年度事業について
 実験的な取り組みとして「増量回数券」の販売が計画されています。まずは「貴志川線の未来をつくる会」の会員に限定する形で、8月1日から1年間の実験として発売される予定です。
 20回分の料金で25枚使え、有効期間は発売から6ヶ月。利用できる曜日や時間帯の制限はありません。

 電鉄では運賃改定の替わりに「地域住民の利便性向上を図りたい」として、他の中小私鉄の事例も参考にして増量タイプの回数券の検討が続けられてきました。他社では、自治会を通じて販売するとか、発売時期を限定して販売するなどといった事例があるようですが、販売の手間や沿線住民であることの確認手段など、様々な側面で検討された結果、今回はまず「つくる会」会員に限る形で実験的にスタートすることになったようです。
 つくる会会員であれば、多くが沿線住民ですし、郵便物を送るためのラベルで住所の確認もできます。会費納入の控えもしくは住所ラベルの提示で増量回数券の購入が可能になります。
 好評であれば発売が継続される見込みですので、現在「つくる会」の会員でない方でも年会費1000円を支払って、増量回数券を買うほうがおトクですし、それがつくる会の会員増加、貴志川線の運輸収入の増加両方につながります。電鉄も行政も、沿線でがんばる住民団体がいるからこそここまで動いてくださっている側面がありますので、この機会にぜひ!  
Posted by わかやま小町 at 23:08Comments(1)和歌山交通ニュース